腸閉塞と便秘の違い

腸閉塞(イレウス)と便秘の違いを教えてください。

便秘はご存じのとおり、便が出にくくなるものです。
便やガスが腸内に溜まることで腹痛を起こすこともあります。

似た症状を持つ病気の一つが、腸閉塞(イレウス)です。
腸閉塞は文字通り、腸が閉塞状態になるもので、やはり便が出ない、強い腹痛といった症状が見られます。
他には吐き気や微熱などの症状があります。
軽度の場合、数日の断食や輸液で回復しますが、重い場合には花からチューブを入れて腸内のガスを出すなどの治療が必要で、場合によっては手術をしなくてはいけないこともあります。

便秘は排泄物を溜めこんで腸を詰まらせてしまうもので、腸閉塞は腸壁の癒着によって腸が詰まってしまうものです。
似ていますが、違うのです。

便秘の場合、腸自体には問題がなく、食事や運動で腸内環境を整えれば改善でき、病院での治療を必要としないケースが多いですが
腸閉塞の場合は腸自体が異常を起こしていますから、病院での診察・治療が重要です。

便秘に比べて激しい腹痛、吐き気、微熱などが現れる場合には、病院での診察を受けると良いでしょう。



便秘で死ぬことはある?

便秘で死んだ人がいるって本当ですか?

本当です。便秘は死に至る可能性があります。

有名なのは、1998年に会社員女性が亡くなったケースです。
21歳、身長体重は平均的な健康な女性。ただ、亡くなる1年ほど前から便秘がありました。
時々腹痛などを感じていたようですが、病院にはかからず市販の薬で対処していたそうです。
便秘の下剤は常習性があり、そのうち薬がなくては排便できなくなってしまいます。
また、薬の効きも悪くなり、服用量も増えていくのです。

そうして彼女は薬を増やして誤魔化していましたが、ある日自宅で亡くなってしまいました。

女性の腸内には、水分が全くなくコンクリートのようになった便が、実に6.7Kgも溜まっていました。
その大量の便とガスでおなかは大きく膨れ、まるで妊娠満期のようだったといいます。

女性の死因は、この便秘により腸閉塞(イレウス)がおきたことで、腹痛や嘔吐などのショック症状から死に至ったと考えられています。

このケースに限らず、重度の便秘から死亡するケースは多数みられます。
かの有名なエルビス・プレスリーも死因は心臓発作と言われていますが、慢性的な便秘がその引き金となったとも考えられているのです。

また、便秘を直接の死因とせずとも、腸閉塞の他にも大腸がんなど様々な病気をおこしますから、遠因としても便秘は死につながると言えるでしょう。



便秘に酵素が良い?

便秘に酵素が良いと聞きますが、本当ですか?またその効果について教えてください。

酵素とは、体内でおきる化学反応の触媒として機能する分子のことを言い、物質を変化させるために欠かせない存在です。
食べ物から栄養を吸収し、その栄養を体中に巡らせ、代謝を促し、排泄する。
そういった生命活動のあらゆる過程に、消化酵素や代謝酵素といった酵素が関わっているのです。

その酵素を酷使してしまうと、酵素の働きが弱くなってしまいます。
働きの鈍い状態では当然、消化や吸収、排泄といった機能が低下してしまいますから、便秘の原因となる事も考えられます。

食事内容を見直したり運動をしたりしても便秘が改善されない場合、充分に酵素が働いていないのかもしれません。

これは酵素を摂取することで解決できます。
食べ物に含まれる食物酵素を取れば、体内の消化酵素や代謝酵素の働きをサポートしてくれるのです。
食物酵素が多く含まれているのは生野菜や発酵食品など。
しかし酵素は熱に弱いので、必要な量を摂取するのが難しいと言われていて、最近では酵素ドリンクなどのサプリメントが注目を集めています。

酵素は代謝を活発にするのでデトックス効果があり、美肌やダイエットにも効果的と言われていますから、便秘解消のためにも試してみると良いかもしれませんね。



排便コントロール

排便コントロールについて。毎日決まった時間にトイレに入る習慣は必要ですか?

毎日決まった時間にトイレに行くように習慣づけることは、便秘解消の1ステップです。

便秘の原因のひとつとして「排便を我慢する」ことが挙げられます。
例えば外出先で便意を感じた時、用事や場所によって我慢することがあるでしょう。
特に女性にはありがちなことかと思いますが、この我慢が習慣化してしまうと、便秘の原因となるのです。

便意を我慢していると、便意を感じても便が出にくくなってしまいます。
また、便意そのものを感じにくくなり、腸内に便を溜めこんでしまうことにもなるのです。

ですから、便意を感じたら我慢せずトイレに行くことが大切です。
しかし出先や仕事中にトイレにこもるのも難しいものですよね。
そこで、お昼になったらおなかが減り、夜になったら眠くなるのと同じように、朝トイレに入ったら便意を感じるように習慣づけてしまえばいいのです。

毎日決まった時間にトイレに行くようにするのは、そのクセを体に学習してもらうためです。
おススメの時間は朝ごはんを食べた後ですが、ある程度余裕を持って時間が取れるタイミングが良いでしょう。
この時、便意がなくても下着を脱いで便座に座り、3分ほどトイレで過ごすようにします。
座りながら腸のマッサージをするのも良いですね。
良くないのは本を読んだり考え事をしたりして、排便から意識をそらすことです。
便意がなくとも排便を意識して過ごすことで、体がしだいに1日のリズムを覚えていくでしょう。



便秘と痔の関係性

便秘と痔の関係性について教えてください。

便秘は痔の原因となります。

便秘で腸内に長く留まった便は、水分を腸に吸収されて固くなっています。
その固い便を排泄するときに、肛門を傷つけて「切れ痔」になってしまうわけです。

それだけではありません。
肛門など体の末端から肝臓に向かって血液が流れていますが、便秘がひどくなると、便が下半身の血管や内臓を圧迫することで、この肝臓への血の流れが悪くなってしまいます。
また、長く腸内に留まった便は毒素をだし、肝臓などに負担を与えます。
これらの影響から肝臓に巡る血の流れが悪くなり、肛門周辺に血が溜まってしまうのです。

この行き場のなくなった血液が、痔の原因となるわけで、切れ痔以外でも、便秘は間接的に痔の原因となっているのです。

このように痔になってしまうと、排泄時の痛みから排泄がおっくうになり、益々便秘がひどくなり、また肛門を傷つけてしまう・・・といった悪循環に陥ることもあります。