便秘と下痢を繰り返しています。病気の疑いがありますか?
便秘症の方で、便秘が解消されるときに下痢になる、という場合があります。
便秘の時、腸は吸収を続けているので留まった便は段々水分を吸収され、固くなっていきます。
一方で、まだ腸に来たばかりの排泄物は水分が多く、柔らかい状態です。
長く便秘が続くと、腸の許容量の問題もあって排泄が促されますが
この時、出口付近の硬い便だけでなく、まだ柔らかい便も一緒に押し出され、結果として下痢になるわけです。
普段から便秘の期間が長く、下痢の時は少ない、という方はこのパターンが多いでしょう。
しかし特に便秘症ではない、便秘と下痢が交互に来る、という方には過敏性腸症候群や胃下垂、大腸がんなどが考えられます。
過敏性腸症候群は、ストレスなどの要因で胃腸の働きが悪くなるものです。
症状としては、腹痛やケイレン、便秘と下痢を繰り返す、などがあります。
先進国での発症が多く、特に日本は患者さんが多いようです。
胃下垂は、機能性胃腸症とも呼ばれます。
胃が正常な位置に収まらず、下の方へ伸びてしまっている状態のため、働きが悪くなります。
胃の機能が低下すると腸でも消化不良が起きてしまうので、便秘や下痢を引き起こしてしまいます。
便秘と下痢を繰り返すのは、大腸がんの初期症状でもあります。
大腸がんは進行度やがんのできた位置によって症状が変わりますが、初期には腹痛や便秘、下痢、あるいは便秘と下痢を繰り返すなどの症状が出ることがあります。
しかし初期にはほとんど症状が出ず、発見しにくいものです。
バランスの良い食生活や適度な運動など、おなかを労わっても症状が続く場合は、一度消化器科で相談されるのも良いかもしれませんね。